土を使わないで、キッチンやリビングなど省スペースで家庭菜園を実現できる「水耕栽培」は、おうちで家族みんなで楽しみながら、気軽にSDGsを実践できる栽培方法として注目されています。
今回レビューする、iDOOのLED水耕栽培キット(I-D-01)は、種と液肥さえ買えば、すぐにはじめられるオールインワンパッケージの中型水耕栽培器。
最大20株を育てられる大容量のタンクに加えて、植物育成には欠かせない太陽光の波長をもつ大型のLEDパネルにより、たくさんの収穫が期待できるので、お好みのハーブや野菜を育てることで、毎日の食卓に彩りをそえることができます。
iDOO LED水耕栽培キット(20株)の商品概要
注目の5つのポイント
製品仕様
ブランド名 | iDOO(イドー) |
製品名 | iDOO屋内ガーデニングキット |
型番 | I-D-01 |
カラー展開 | ブラック |
栽培可能株数 | 最大20株(1コンテナあたり最大5株) |
本体サイズ | 横幅59.2cm×奥行25.8cm×高さ25.8cm~75.7cm (タンクサイズ:横幅約13cm×奥行約26cm×高さ約9cm) |
重さ | 3kg |
材質 | ABS(本体) |
LEDライトパネル | 赤・青・白の3色LED搭載(34W, 非防水) |
タイマー機能 | 24時間簡易タイマー(1時間単位指定) |
ファン | なし |
ポンプ | なし |
モード切替 | なし |
水タンク容量 | 2L×4コンテナ |
電源アダプタ | 100-240V, 50/60Hz |
入力 | 12V=4A |
iDOO LED水耕栽培キット(20株)のレビュー
特長1:最大20株栽培できるクラッキー法の中型水耕栽培器
初心者でも取り組みやすいクラッキー法
水耕栽培には大きくわけて、「静置法」とポンプを使った「流動法」があります。
特に水耕栽培が初めての方におすすめの栽培法が、水と肥料さえあれば簡単にスタートできる「静置法」のクラッキー法(Kratky Method)によるパッシブな水耕栽培システムです。
iDOOの水耕栽培キット20株(I-D-01)は、クラッキー法の水耕栽培器に植物育成用のLEDライトパネルをワンパッケージにした、初心者の方にぴったりな室内用水耕栽培システムといえるでしょう。
クラッキー法は、植物の毛細血管現象を利用したシステムで、成長した植物の根の一部を空気に触れさせることで酸素を吸収します。
植物の根からは液肥を含む水分で栄養補給しつつ、酸素も吸収できる効率的なシステムなので、ポンプとエアストーンが不要になり、可動部はなくなるため、余計なメンテナンスの手間やコストがかからないメリットがあります。
一般的にクラッキー法にむいているのは、ハーブやレタスなどの葉物野菜といった小型野菜です。
どちらかというとライフサイクルの短い小型野菜を育てるのに適していますが、トマトなどの結実するものはチェリートマトなど小さめの品種を選ぶとよいでしょう。
モジュール式の独立した大容量タンク
設置面のサイズは、4つの栽培タンクがあるため横幅59.2cm×奥行25.8cmと幅広な大きさ。
室内でもそれなりのスペースを確保する必要があります。
2Lの大容量タンクを4つ備え、1タンクあたり最大5株、最大20株の作物を栽培できます。
また、4つのタンクはそれぞれ独立しているモジュールタイプなので、タンク内の水が交換もしやすく、必要に応じて栽培する作物量の調整が可能です。
例えば、2つのタンクを使って水耕栽培、残りのスペースにはタンクを置かずに、土壌栽培の鉢植えを置いてLEDライトを使って室内で育てるような使い方もできます。
無段階の高さ調整可能なロッド(最大75cm)
LEDライトパネルを支えるポールは、無段階で高さ調整可能(最小25cm~最大75cm)なので、植物の成長にあわせて、段階的に適切な明かりがあたるように高さを調整することが可能です。
また、ハーブや葉物野菜を長く楽しめるだけでなく、ミニトマトなど少し大きく成長する野菜なども栽培することもできます。
注意点としては、ポールがやや引き出しづらいので、タンクをひっくり返さないようにしっかりと土台部分をおさえながら、均等に少しずつポールを引き出していくこと。
特長2:成長を加速する、大型3色LEDライトパネル搭載
室内水耕栽培では、太陽光に代わる光量がとれるかどうかが植物の成長に大きくかかわる要素です。
その点、iDOOの水耕栽培キットには、34Wパワーの大型LEDライトパネルが搭載されています。
またパネルには、太陽光の波長をもつ3色のLEDライト(赤・青・白)がちりばめられていて、植物の成長がより効率的に促進するため、部屋の中でも十分な明かりのもと育てることが可能です。
特長3:点灯時間をコントロールできる24時間タイマー搭載
LEDライトパネルの点灯をコントロールするためのタイマー式のスイッチを搭載。
1時間~24時間の1時間単位で、パネルの点灯のオン・オフを制御することができます。
育てるハーブや野菜にもよりますが、推奨設定時間は16時間点灯・8時間消灯です。
もし細かく時間設定や遠隔からLEDライトパネルの点灯を制御したい場合は、コンセントに直付けできるコンセントタイマーや、スマホと連携できるスマートプラグを使うとよいでしょう。
いずれも少額の追加投資で実現可能です。
iDOO LED水耕栽培キット(20株)の栽培記録
ここでは実際にiDOOの水耕栽培キットを使った、ハーブ・野菜の育て方を解説します。
1日目:栽培開始
STEP1:水をタンクに注ぎ、液肥を混ぜる
水耕栽培キットを組み立てたら、4つのバスケットコンテナのタンクに水道水を注ぎます。
目安は目盛りの2リットルです。
タンクいっぱいに水をいれないことが、クラッキー法の水耕栽培では大切なポイントです。
次に植物を育てる栄養源として、液肥を適正量混ぜ合わせます。
おすすめの液肥は定番の「ハイポニカ」です。
iDOOの水耕栽培器(I-D-01)は、各タンク容量が2リットルあるので、水2リットルに対して、ハイポニカの液肥をA液・B液それぞれ4mlずつ加えて希釈します。
ポンプがない水耕栽培器なので、この段階で割りばしなどをつかってよく混ぜ合わせておきます。
「ハイポニカ」の液肥は一般的にどこでも入手しやすく、作物の品種や成長段階問わず、同じ濃度で使用することができ、他の水耕栽培器とも共通で使えるのでコスパ抜群。
植物の成長を効率的に促進してくれるので、初心者でも失敗なく育てることができます。
ハイポニカの液肥はA液とB液の2種類あり、それぞれ同じ量を水で薄めて使います。
水量 | ハイポニカ液肥(A液+B液)の量 |
500ml | 1ml A液+1ml B液 |
1L | 2ml A液 + 2ml B液 |
1.5L | 3ml A液 + 3ml B液 |
2.0L | 4ml A液 + 4ml B液 |
STEP2:種を培地スポンジにセットする
種は付属していないので、あらかじめ育てたいハーブや野菜の種を用意しておく必要があります。
市販の種(サカタのタネ等)で大丈夫です。
今回用意した種は、❶バジル、❷コリアンダー、❸ディル、❹サラダ菜の4種類。
水浸漬で発芽率を高める
発芽率がよい種を選別するために、付属のプラスチックハットなどを使って、種を水に漬けておきます。
沈んだ種は発芽率が高く、それを優先的に培地スポンジ1つあたり、3~4粒ほどの種をセットします。
培地スポンジを水に浸しておく
バスケットに培地スポンジをセットする前に、水にくぐらせてスポンジに浸水させておきます。
iDOOの水耕栽培器に付属している培地スポンジは、水耕栽培器では主流になっている多孔質で吸着性のあるピート(泥炭)を成分とした環境にやさしいスポンジのため、吸水性は抜群です。
乾燥したままセットとしても、先端から効率的に吸水して、全体的に水がいきわたって湿った状態になりますが、10~15分程度浸水させておくとよいでしょう。
藻・カビ防止シールとバスケットハットをセットする
浸水させて湿らせた培地スポンジをいれたバスケットをタンクにセットしたら、付属のシールをバスケットの上面にはりつけます。
すべての培地にバスケットをセットしたら、最後にスポンジ表面の乾燥防止のために、付属のプラスチックハットをかぶせてセット完了です。
STEP3:電源をいれて栽培開始
電源をいれて、栽培をスタートします。
LEDライトパネルの高さは、葉が焼けないように作物から最低10㎝以上離す必要があります。
今回のケースではハーブと葉物野菜なので、15㎝程度離しておきます。
またLED照明のタイマーは、育成する作物によりますが、ハーブと葉物野菜にあわせて16時間(6時~22時)点灯で設定しています。
2~3日目:発芽
育てる作物にもよりますが、ハーブやサラダ菜などの葉物野菜であれば、早くて翌日、遅くても数日で発芽します。
今回もっともはやく発芽したのは❹サラダ菜で、次に❸ディル、❶バジルでした。
❷コリアンダーは1週間~とやや時間がかかります。
4~6日目:発芽後、シール上面に双葉がのぞきだす
❸ディルと❹サラダ菜はすくすく成長し、プラスチックハットの上面に達したため、ハットを取り除き、間引きます。
※通常1本だけのこして間引きますが、ここでは2本残しておきます。その後、元気な双葉を残して、さらに1本に間引きます。
8~9日目:すべて発芽
この段階になると、バジル、コリアンダー、ディル、サラダ菜すべて発芽。
最も発芽の遅かったコリアンダーも急激に成長して、カバーをとりはずしました。
18日目:順調に成長中
19日目:初収穫(サラダ菜)
サラダ菜の成長が早く、一回目の収穫をおこないました。
初収穫のサラダ菜は大小ありますが、計23枚(栽培穴が5つなので平均4~5枚/穴)。
サラダ菜は朝食のつけあわせが主ですが、たくさん収穫できたら、わが家ではチョレギサラダ風にして食べてます。
30日目:初収穫(ディル&コリアンダー)
クラッキー法での水耕栽培も早くも30日目。
本日、水と液肥の総入れ替えをおこないました。
また、サラダ菜も2回目で19枚収穫。
ディル、コリアンダー(パクチ-)も順調に成長。
料理で使える程度は収穫できたので、それぞれ料理のアクセントに使ってみることにしました。
ディルはイワシレモンスープ缶詰と組み合わせて、「イワシレモンとディルのパスタ」を昼食に。
ディルとレモンの風味がベストマッチ!
コリアンダー(パクチー)は、レンコンと豚肉の重ね蒸しにパクチー醤油をソースとして使用。
パンチの効いたパクチー醤油が食欲をそそります。
いずれもハーブの香りがよいアクセントになって、美味しくできました。
38日目:初収穫(バジル)
コリアンダーとディルは2回目、サラダ菜は4回目の収穫。
ようやくバジルを収穫。
とてもおおぶりで柔らかい葉です。
その他、コリアンダーとディルも順調に成長しています。
今回は新鮮なバジルの香りと食感を楽しむべく、ガバオライスをつくってみました。
バジルは再保に混ぜ合わせる程度がよいです。
もちろん付け合わせのサラダも水耕サラダ菜です
まとめ:初心者にぴったり!LED照明付きの室内水耕栽培キット
以上、iDOOのLED水耕栽培キット20株(I-D-01)のレビューでした。
I-D-01は、植物育成に効果的な3色のLEDライトパネルを搭載した、室内向けの水耕栽培器です。
種と液肥さえ買えばすぐに始められるクラッキー法による水耕栽培は、はじめて水耕栽培をはじめられるかたにはおすすめです。
またポンプレスなので稼働音も静か。
可動部がないため、メンテナンスの手間や維持コストが抑えられます。
あなたもiDOOの水耕栽培キットを使って、室内の家庭菜園をはじめてみませんか?