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【Deco XE75レビュー】ワイドバンドで超高速×低遅延!最新規格のWi-Fi6E対応トライバンドメッシュWi-Fiルーター

5.0

もし、あなたが周囲の電波干渉や無線の混雑の影響が少なく、より速いメッシュWi-Fiルーターを探しているのであれば、TP-Linkの「Deco XE75」はぴったりかもしれません。

今回レビューする「Deco XE75」は、最新規格のWi-Fi6E対応にしたメッシュルーターのDecoシリーズ最新モデル。

Wi-Fi6Eは22年9月に電波法施行規則等の改正により、国内で新しく開放された6GHzの周波数帯域に対応した無線通信規格です。

Wi-Fi6Eに対応により電波干渉のリスクを回避し、従来よりもデバイス間の混雑も少なく安定した通信が可能となりました。

「Deco XE75」の製品概要

注目の3つのポイント

  • Wi-Fi6E対応で、混雑干渉リスクを軽減、低遅延で高速な通信を実現
  • トライバンド対応で、干渉しないように3種類の電波を使い分け
  • AIメッシュでユーザー環境を自動で最適化、広範囲に電波を拡張

こんな人におすすめ

  • Wi-Fi6E対応機器を所有している方
  • 新しい無線通信規格Wi-Fi6Eをいち早く体感したい方
  • スマートホーム化で複数の機器を安定して利用したい方
  • オンラインゲームや高画質な動画サービスを楽しみたい方
  • 無線だけで広い範囲をカバーしてスッキリさせたい方
  • 将来的に拡張性のある無線LANルーターを導入したい方

製品仕様について

製品名 Wi-Fiルーター Deco XE75(2パック)
型番 Deco XE75(2-pack)
メーカー TP-Link
本体サイズ 105×105×169mm(幅×奥行×高さ)
本体重量 612g(1台当たりの実測値)
利用間取り目安 1台:1~3LDK(最大カバー範囲270m2)
2台:3~5LDK(最大カバー範囲500m2)
3台:4~7LDK(最大カバー範囲670m2)
最大接続台数 200台
無線通信規格 Wi-Fi 6E
IEEE 802.11ax(6GHz)
IEEE 802.11ax/ac/n/a(5GHz)
IEEE 802.11ax/n/b/g(2.4GHz)
無線通信速度 AXE5400
6GHz:2402Mbps(802.11ax, HE160)
5GHz:2402Mbps(802.11ax, HE160)
2.4GHz:574Mbps(802.11ax)
アンテナ数 ハイゲイン内蔵アンテナ×4(6GHzアンテナ×2、5GHz&2.4GHzデュアルバンドアンテナ×2)
Wi-Fi性能 トライバンド、2×2 MU-MIMO、OFDMA、6ストリーム
動作モード ルーターモード、ブリッジモード
セキュリティ規格

WPA3対応(WPA/WPA2/WPA3)

ネットワークセキュリティ HomeShield対応
LANポート ギガビットポート×3
※各Decoユニット(WAN/LAN自動判別)
管理アプリ iOS・Android対応アプリ「Deco」
※Decoアプリver 3.0以降はAndroid 5.0以降にのみ対応しています
パッケージ内容 Deco XE75(2パック)
・Deco XE75ユニット×2
・RJ45 LANケーブル×1
・電源アダプター×2
・かんたん設定ガイド

【同梱物】

機器設定・セキュリティ機能について

TP-Link製品の共通の特長として、一見難しい印象のある無線LANルーターの設定でも、スマホの専用アプリ「TP-Link Deco」を使うことで、誰でも簡単にできるところがポイント。

わかりやすいインターフェースで、初めて無線LANを設定する方でも、ガイダンスに従うだけで直感的に設定できたり、機器の状態チェックも可能です。

‎TP-Link Deco
‎TP-Link Deco
開発者: TP-LINK GLOBAL INC.
金額: 無料+
不明なアプリ
不明なアプリ
金額: 無料

気になるセキュリティ面でも、「Deco XE75」は最新セキュリティ規格「WPA3」に対応しています。

さらに標準搭載されている「TP-Link HomeShield」を使うことで、QoS帯域制御や保護者制限、コンテンツブロック機能など、セキュリティレベルを高めるができます(無料のベーシックプランの場合)。

これらの設定もアプリで細かく調整することができます。

参考 TP-Link HomeShield

「Deco XE75」のレビュー

外観:ミニマルデザインでインテリアになじむ

「Deco XE75」は、スリムな円筒形状にマットなホワイトカラーがベースになったカラーリング。

サイズ感もDecoシリーズの中ではミドルクラスなので、ほどよい大きさ。

見た目が洗練されているので、これまでのWi-Fiルーターとは違って、隠さず目立つ場所に置いておきたくなるデザインです。

パワーと拡張性を兼ねそなえる

コンパクトサイズながら、パワーも十分。

最大200台までのデバイスが接続可能なので、スマートホーム化を検討している方にも安心して導入できるスペックです。

本体背面には、1Gbpsの有線WAN/LANポートが3つあるので拡張性も十分。

ポートはWAN/LANとも共通で、どのポートにケーブルを挿しても自動判別するユーザーフレンドリーな設計です。

ここがイイネ!ポイント❶

Decoシリーズではミドルレンジながら、IoT機器など複数台が同時接続しても、最大200台まで安定してさばける余裕のスペックです。

小さいけどあなどれないパワー!

特長1:Wi-Fi6E 対応(6GHz追加)で超高速通信!

「Deco XE75」は最新のWi-Fi通信規格Wi-Fi6Eに対応、最大5400Mbpsの高速なWiーFi通信を実現します。

Wi-Fi6Eは、Wi-Fi6を拡張(Extended)された規格で、新たに6GHz帯の周波数を拡張したことにより、主に3つのメリットがあります。

  • 混雑しづらく、干渉も少ない
  • 超高速・低遅延な通信
  • 複数機器同時接続でも安定

Wi-Fi6Eは、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の3つに対応(トライバンド)。
使える周波数が多い分、電波干渉や混雑などで通信速度が低下しづらくなります。

また6GHz帯で使える通信帯域のチャンネルが、従来高速とされていた5GHz帯と比べても増加。

さらに6GHzでは、複数チャンネルを束ねて通信帯域の幅を広げる「ワイドバンド化」により、最大スピードが向上するだけではなく、大容量データでも少ない遅延で高速な通信が行えるようになりました。

これにより、通信ラグをおさえたいオンラインゲームをはじめ、4K/8K動画やVRコンテンツ視聴を快適に楽しめます。

6GHz帯域では、ワイドバンドの160MHzを3チャンネル使える

6GHzの優位性

5GHz帯域(W53/W56)でも高速で通信できる160MHzの周波数幅を2つまで使えますが、航空・気象観測用レーダーなどの干渉を受けやすく、それを回避するための「DFS」という仕組みが実装されています。

DFSとは?

DFS(Dynamic Frequency Selection:動的周波数選択)とは、レーダー干渉を検知すると、無線LANルーターの無線通信を一時的に停止する機能のこと。

レーダー検知すると30分間停止、その後は通常動作に戻りますが、一時的にネット接続が切れたり速度が低下するという現象が発生します。

実のところ5GHz帯でのレーダー干渉は身近に起こるケースで、わが家の環境でもレーダー干渉の現象を確認することができました。

レーダー干渉現象のメッセージ
チャンネル幅が一時的に制限される

Decoで周辺のレーダー干渉があった場合には、アプリ上に「レーダー信号が検出されたため、Decoは一時的にWi-Fiのチャンネル幅を80MHzに切り替えています。30分間は元に戻せませんが、後から自動で160MHzに戻ります。」とのメッセージを表示、チャンネル幅を切り替えます。

6GHz帯域ではこのようなレーダーなどの影響を受けないため、DFSが不要。
5GHzと比べて、無線通信が瞬断されてしまうリスクがないのがメリットです。

ここがイイネ!ポイント❷

6GHz帯は、確保できる周波数の幅が広がり、他の無線による電波干渉を受けづらく、DFS発動リスクがないのでストレスフリー。

クライアント側に6GHz対応機器を組み合わせることで、真価を発揮。

ワイドバンド効果もあり、超高速×低遅延なインターネット環境を手に入れることができます。

これからWi-Fiの導入を検討している方には、「Wi-Fi6E対応」はオススメの最新無線規格です。

干渉を受けやすく混雑しがちな5GHzを回避!

特長2:トライバンド対応で干渉なくサクサク通信!

Wi-Fi6Eの特長1でもみた通り、「Deco XE75」はトライバンドに対応。

トライバンドとは、6GHz帯×1、5GHz帯×1、2.4GHz帯×1のあわせて3つの電波を使える無線ルーターのこと。

これまでWi-Fi6の「トライバンド対応」といえば、2.4GHz1つに5GHzを2つ合わせた無線LANルーターでしたが、「Deco XE75」は従来の5GHz帯と2.4GHz帯に6GHz帯に加えた3つの帯域の電波を使える”真のトライバンドに対応した無線LANルーター”になりました。

最大通信速度も、3つの帯域をあわせて6ストリームで5,400Mbps(2.4GHz:574Mbps+5GHz:2.4Gbps+6GHz:2.4Gbps)もあるため、大容量コンテンツやオンラインゲームもストレスなく楽しめます。

しかしながら、6GHzのメリットを最大限活用するには、接続するデバイス(パソコンやスマホ)も6GHz対応である必要がありますが、新しい規格だけに6GHz対応機器はまだまだ少ないのが現状です。

その点、「Deco XE75」であれば大丈夫。

6GHz対応デバイスをもっていないユーザーでも、電波混雑や干渉リスクの少ない6GHz帯を、Deco機器間の強力なバックホール専用(いわゆる基地局網)として使えるので、通信全体の安定性と速度向上が期待できます。

ここがイイネ!ポイント❸

「Deco XE75」では、Wi-Fi6Eならではの広い周波数帯域をもつ6GHzをバックホール専用に使えるので、2.4GHzや5GHz帯域を使う非対応のデバイスであっても、通信パフォーマンスの改善や安定感につながるといえます。

特にメッシュWi-Fiとの相性はよく、親機と子機をバックホールで接続することで、より安定した無線ネットワークを構築することができます。

6GHz対応機器を持っていなくてもメリットあり!

特長3:AIメッシュで広範囲に安定した電波が届く!

「Deco XE75」には、広範囲にネットワークを拡張する「メッシュWi-Fi」システムを搭載しています。

メッシュWi-Fiには、

  • Wi-Fiの届く範囲を拡張する
  • 複数機器が同時接続しても安定する
  • 最適なWi-Fiに自動的に切り替わる

といった特長があります。

メッシュWi-Fiを使えば、親機から遠く離れた部屋や異なる階といった、家の中で電波が届きにくいところでも、Wi-Fiの通信範囲がすみずみまで広がり、安定したネットワーク環境をつくることができます。

さらに「Deco XE75」には、このメッシュWi-Fiに独自のAIアルゴリズム(AIメッシュ機能)を実装することで、スマートアンテナとして、より賢くなりました。

AIメッシュ機能により、一度設置すればユーザー側で特に意識することなく、「Deco XE75」のAIがユーザーの利用環境や利用機器、利用状況などをモニタリング。

自動的に無線が届きやすくなるように「最適化」します。

参考 TP-Link公式サイト「AIメッシュ」

ここがイイネ!ポイント❹

「AIメッシュ」は、ユーザーの利用環境などに合わせて、メッシュのWi-Fi環境が自動的にチューニングされ、より最適化されるのがポイント。

またWi-Fi名とパスワードはそれぞれ1つになるので、中継器のような手動での切替は不要。
Deco XE75が自動で最適な接続先に切り替えてくれます。

自動切換えでシームレスなネットワークを実現!

ネットワークパフォーマンス結果(カバレッジと通信速度)

「Deco XE75」はDecoシリーズとしてはじめて最新の無線通信規格Wi-Fi6Eに対応し、無線干渉や混雑リスクの少ない6GHzを含め、3つの帯域を使えるメッシュWi-Fiルーターです。

ここでは改めてその実力をみるため、同一住居環境において、各設置条件でのWi-Fiのカバレッジと通信速度を計測して評価してみました。

※計測に用いたiPhone SE2は6GHz対応していないため、ここでは2.4GHz/5GHzでの評価。

❶Deco XE75(1台)

  • 通信環境:上位回線1Gbps CATV光回線、共有LANタイプ
  • テスト空間:鉄筋マンション、100㎡(3~4LDK相当)
  • 計測時間:混雑しがちな午後22時頃
  • 計測ツール:速度はFast.com、状態はWi-Fiミレル利用
  • 設置方法:親機(Deco XE75 1台のみ)
  • バックホール:なし
ネットワーク構成図
通信パフォーマンス結果

❷Deco XE75(2台)でメッシュWi-Fi(ワイヤレスバックホール)

  • 通信環境:上位回線1Gbps CATV光回線、共有LANタイプ
  • テスト空間:鉄筋マンション、100㎡(3~4LDK相当)
  • 計測時間:混雑しがちな午後22時頃
  • 計測ツール:速度はFast.com、状態はWi-Fiミレル利用
  • 設置方法:親機×子機(Deco XE75 2台)
  • バックホール:ワイヤレスバックホール利用(6GHz)

ネットワーク構成図

通信パフォーマンス結果

❸Deco XE75(2台)でメッシュWi-Fi(イーサネットバックホール)

  • 通信環境:上位回線1Gbps CATV光回線、共有LANタイプ
  • テスト空間:鉄筋マンション、100㎡(3~4LDK相当)
  • 計測時間:混雑しがちな午後22時頃
  • 計測ツール:速度はFast.com、状態はWi-Fiミレル利用
  • 設置方法:親機×子機(Deco XE75 2台)
  • バックホール:イーサネットバックホール利用

ネットワーク構成図

通信パフォーマンス結果

「Deco XE75」パフォーマンス結果まとめ
※左側:親機、右側:子機周辺の下り通信速度
  • 単体Wi-Fi:570Mbps/130Mbps
  • 2台メッシュWi-Fi×ワイヤレスバックホール:640Mbps/410Mbps
  • 2台メッシュWiーFi×イーサネットバックホール:620Mbps/570Mbps
  通信速度下り(上り) レイテンシ(アンロード済・ロード済)
  親機/子機周辺 親機/子機周辺
570Mbps/130Mbps
(590Mbs/150Mbps)

8ms・13ms/3ms・40ms

640Mbps/410Mbps
(580Mbs/280Mbps)

4ms・15ms/6ms・33ms

620Mbps/570Mbps
(570Mbs/540Mbps)

5ms・14ms/4ms・16ms

以上の結果から、Deco XE75」では6GHzの帯域を専用のワイヤレスバックホールとして使うことで、より通信スピードの安定感と無線のカバレッジが向上。

アップロードでは劣るものの、全体としての体感速度やレイテンシーが、有線でのバックホールと比べても遜色のない結果となりました。

ここがポイント

イーサネットバックホールが使えない環境にある方でも、6GHzをワイヤレス専用バックホールとして活用することで、無線だけでより広範囲に安定したメッシュWi-Fi環境を構築することが可能です。

わが家では将来的に6GHz対応機器が増えた段階で、6GHzでの無線接続に切り替え、イーサネットバックホールを主軸としたメッシュWi-Fi網を構築したいと考えています。

バックホール活用で全体の安定感
ましまし!

まとめ:電波干渉・通信混雑を回避!ワイドバンドで超高速×低遅延な安定したネットワークを構築できるWi-Fi6E対応メッシュWi-Fiルーター

オススメ度:★★★★★
Pros
Cons
  • 最新通信規格Wi-Fi6E対応
  • AXE5400の超高速通信
  • 真のトライバンド対応
  • 専用バックホール利用可能
  • DFSによる待機時間なし
  • AIメッシュで広範囲をカバー
  • GbEポートが3つ
  • Deco最大10台まで増設可能
  • HomeShield対応
  • スマホのアプリで簡単設定
  • 6GHz対応機器が必要
  • Multi-GbE非対応

以上、TP-Link「Deco XE75」のレビューでした。

「Deco XE75」は

  • Wi-Fi6E対応で、混雑干渉リスクを軽減、低遅延で高速な通信を実現
  • トライバンド対応で、干渉しないように3種類の電波を使い分け
  • AIメッシュでユーザー環境を自動で最適化、広範囲に電波を拡張

が特長の無線LANルーターでした。

今後6GHz対応機器が増えてくることが期待されますが、6GHzの特性を活用したバックホール機能を活用することで、メッシュWi-Fiの広がりや安定度を増すことは可能です。

将来を見据えて、長く使える次世代無線LANルーターとして導入を検討してみてはいかがでしょうか?

レビュー
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この記事を書いたのは

dalahast_shikaku2

dalahast(ダーラヘスト; @dalahast_jp)です。ほぼ週末限定の趣味のお料理以外に日々の暮らしのなかで興味をもったこと等を 気の向くままに徒然に綴っています。
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