自宅の監視、離れた部屋にいる子供や留守中のペットの見守り用にWi-Fiのカメラが人気です。
TP-Linkの「Tapo C225」はTapoシリーズの据え置きタイプの最新モデル。
従来モデルよりも、さらに高画質・高感度になっただけでなく、パン・チルト(首振り)機能による広い視野角を実現し、カメラの死角を最小限に抑えることができます。
さらにスマートAIによる動物体の検知や異音検知など、映像検知以外にも音の種類も個別に判断して検知できるすぐれもの。
レンズを物理的に隠せるフィジカルプライバシーモードの搭載など、従来の見守りカメラでは不安に感じていたプライバシーへの配慮も解消しています。
本記事では、ハイスペックながら、お手頃な価格帯の見守りカメラ「Tapo C225」をレビューします。
Tapo C225の製品概要
注目のポイント
製品仕様について
製品名 | Tapo C225 |
メーカー | TP-Link |
本体サイズ | 80x80x112mm(W×D×H) |
本体(重量 | 313g(実測値) |
電源 | ACアダプター出力(12.0V/1.0A) |
カメラ | |
・イメージセンサー | 1/3“ 400万画素 |
・解像度 | 2K QHD/4MP(2560 × 1440 px) |
・レンズ | F/NO:1.6±5%、焦点距離:4mm±5% |
・視野角 | 水平:360°、垂直:149° |
・ナイトビジョン | 850 nm IR LED(最長約10m) 940 nm IR LED(最長約5m) |
動画 | |
・動画圧縮 | H.264 |
・フレームレート | 2560×1440@15fps |
・ビデオストリーミング | 2K QHD |
・音声圧縮 | G.711 |
音声 | |
・音声通話 | 双方向通信 |
・音声入/出力 | マイクおよびスピーカー内蔵 |
アクティビティ通知 | |
・トリガー条件 | 動作検知・人物検知・ライン通過検知・カメラタンパリング・赤ちゃんの泣き声検知・車両検知・ペット検知・猫の鳴き声検知・犬の鳴き声検知・ガラス破損音検知・煙感知器音検知(対応予定) |
・通知方法 | アプリに通知・スナップショット(Tapo Care利用時) |
録画 | ・4GB~512GBのSDHC or SDXCカード(SDカード非対応) ・Tapo Careクラウドストレージ(有料) ※SDHC or SDXCカードは別売 |
ネットーワーク | |
・Wi-Fi | IEEE 802.11b/g/n, 2.4 GHz |
・セキュリティ | SSL/TLSによる128 ビット AES 暗号化 |
・ワイヤレスセュリティ | WPA/WPA2-PSK |
システム要件 | iOS 9以降、Android 4.4以降 |
同梱物 | 本体、電源アダプター、台座、位置決めシール、壁面用ネジ、壁面用アンカー、設定ガイド |
より詳細な仕様は公式サイトをチェック!
公式 TP-Link Tapo C225製品仕様
初期設定方法について
「Tapo C225」はTapoシリーズ共通のスマホ用アプリケーション「TP-Link Tapo」を使って初期設定を行います。
アプリは直感的なUIで、誰でも簡単に初期設定から、設定したカメラを遠隔からリアルタイムに映像で監視したり、録画した映像を視聴することができます。
スマートフォン用アプリはこちら。
Tapo C225の製品レビュー
外観:スタイリッシュな円筒形状
本体サイズは80x80x112mm、重さ313g(実測値)。
手のひらサイズのコンパクトでスリムな円筒形状の見守りカメラです。
従来のTapoはキューブ状のカメラが台座にのったホワイトカラー一色でしたが、C225は赤いラインが1本はいったミニマルデザイン。
Tapo C420S2のような内蔵バッテリーはなく、ACアダプターをつないで使う「屋内据え置き型」のタイプです。
本体前面のレンズ周辺には、システムLEDと双方向コミュニケーション用のマイク。
レンズ部分を上にスライドさせることで現れる、映像記録用のmicroSDカードスロット(SDHC or SDXC)は1つ搭載。
最大512GBまでの大容量カードに対応しています。
背面には双方向コミュニケーション用のスピーカー、ACアダプターの差し込み口があります。
カメラ性能:高画質・広視野角・高感度
2K・QHD高画質
Tapo C225は2K QHD/400万画素(2560 × 1440 px)と、前モデルTapo C210の300万画素(2304 × 1296 px)から大きく画質向上。
小さな被写体でも表情がはっきりとわかるほど、画像がより鮮明になりました。
赤ちゃんやペットのモニタリングに十分なレベルです。
パンチルト機構で広い視野角
パンチルト機構(首振り)により、水平方向360°・垂直方向149°の稼働範囲で見守りが可能です。
Tapo C210(垂直は114°)と比べて、垂直方向への可動範囲が広がりました。
そのため、付属のブラケットを使って天井に逆さまに設置しても、十分な視野角をカバー、死角が少なくなりました。
スターライトセンサー・ナイトビジョンLEDで高感度
「Tapo C225」には高感度センサーを搭載されているので、環境ロバスト性が高く、昼夜問わず高品質な映像を実現しています。
実際にリビングのカーテンを閉めて、照明を落とした暗がりでカメラでとらえたシーンがこちら。
スターライトセンサーにより、非常にクリアーで鮮明な画像です。
また、ナイトビジョン(赤外線センサー)により、暗がりでもはっきりとしたモノクロ映像を映すことができるので、電気がついていない留守宅や夜間でも見守りが可能です。
「Tapo C225」は、赤外線も遠くまで見渡せる850nm IR(従来カメラの赤外線)と、目に見えない940nm IRの2つのLEDを搭載。
人間の眼では捉えることができない波長をもつ940nm IR LEDに切り替えることで、暗がりで発光してまぶしいと感じることがありません。
赤外線センサー(ナイトビジョン) | |
❶ 850nm IR LED |
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❷ 940nm IR LED |
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これまでの見守りカメラは、赤く光るLEDがまぶしくて、夜間にベッドルームでの使用は気になりがちでした。
940nm IR LEDは見渡せる距離は短くなりますが、夜間の赤ちゃんやペット用の見守りカメラとしては重宝します。
赤外線モードでは、被写体をしっかりと捉えていることがわかります。
AI検知・自動追尾機能:幅広い検知機能が無料で使える
スマートAI検知・通知機能
「Tapo C225」の最大の特長といっても過言ではないのが、この「スマートAI検知・通知」機能です。
従来の一部のモデルでは、有料のクラウドサービス「Tapo Care」を契約することで利用だった機能が、カメラ本体のエッジ側にAIアルゴリズムが実装されて、サブスク契約なしでも利用できるようになりました。
カメラに実装された「スマートAI」が人物・ペット・車両といった動物体検知だけでなく、異常な音までも検知し、アプリに通知します。
ベータ機能ながら、検知対象もペットの鳴き声(犬・猫)や窓ガラスが破損する音まで幅広いのも、Tapo C225ならではの特長です。
検知対象は、Tapoアプリで選択して絞ることも可能。
動物体全般だけではなく、人物だけ、ペットだけ、車両だけといった物体をAIが認識します。
また、被写体だけではなく、アクティビティゾーンを設定することで、映像の一部範囲に検知を限定したり、ラインをまたぐと検知することも可能です。
スマートトラッキング(自動追尾機能)
さらに「Tapo C225」には、検知した動物体を自動追尾しながら撮影する機能もあります。
本体の機構が120°/秒の回転速度で動くことが可能。
特にペットの犬や猫のように、一定の場所にとどまらずに動きまわる被写体を自動で追いかけてくれるので、ペットの見守りには重宝します。
プライバシー保護機能:ハード&ソフト両側面で対応
Wi-Fiカメラで一番気がかりなのは、プライバシー保護。
従来のモデルでもプライバシーモードがありましたが、あくまでもソフトウェア的に映像を切るだけで、カメラレンズはむき出しのまま。
常にレンズが向けられていると誰かに見られているような気がして、心配症の私は気がかりでした。
その点、「Tapo C225」ではハードとソフト両方でプライバシーを保護します。
まずハード面では、Tapoシリーズのカメラとしては初めて「フィジカルプライバシーモード」を搭載。
本体前面にあるボタンを押すだけで、レンズの向きを変えて物理的に映らないようにして、プライバシーを守ります。
もちろんアプリからもワンタッチで制御できるので、リモートで操作も可能です。
また、「プライバシーゾーン」設定機能もあるので、ソフトウェア的にカメラに映したくない部分をマスクすることもできます。
録画・視聴機能:選べる柔軟なスタイル
録画機能
「Tapo C225」では、カメラで録画したデータを保存する方法として、本体に内蔵した別売りのmicroSDカードに記録する方法(ローカルストレージ)と、有料の「Tapo Care」を契約することで利用できるクラウドストレージに記録する方法の2通りあります。
録画形態 | 内容 |
❶ローカルストレージ録画 | 本体に内蔵した別売りのmicroSDカード(最大512GBまで)に録画保存する。 ※4GB~512GBのSDHC or SDXCカードに対応 ※SDカードは非対応 |
❷クラウドストレージ録画 |
TP-Linkが提供する有料クラウドサービス「Tapo Care」を契約することで、最大30日間の映像をクラウド上に録画保存する。 |
視聴機能
「Tapo C225」は、3つの視聴スタイルに対応。
Tapoアプリによるリモート監視以外にも、利用場所に応じて柔軟な視聴スタイルを選べます。
視聴形態 | |
❶Tapoアプリ | TP-Link提供の公式アプリ。 1画面で最大4つのカメラを監視可能。 最大32台のカメラを8枚の画面で監視も可能。 家族間でカメラを共有可能(同時接続は2名まで) |
❷スマートスピーカー・ストリーミングデバイス | 音声アシスタント(Alexa, Google)と連携することで、ディスプレイ付きのスマートスピーカーやストリーミングデバイスに接続したTVやディスプレイで監視可能。 ※5分経過すると自動的にタイムアウト ※低画質(LQ)のみ対応 |
❸PC用RTSP対応アプリ | VLCやiSpyなどRTSPに対応したPC用アプリケーションで監視可能。 ※メーカーサポート対象外 |
ライブストリーミングはいずれの方法でも可能ですが、パン/チルト機能・マーク機能・パノラマ機能といったカメラ制御や双方向通信など、デバイス制御がいろいろできるTapoアプリが一番のオススメです。
参考 Tapoデバイス(カメラ・プラグ・LEDランプ)を家族などと共有するには
参考 TapoデバイスをAlexaで操作するには
参考 Tapoを使用したRTSPライブストリーミングの利用方法
Tapo C225はこんなひとにおすすめ
実際に使ってみてわかったメリット&デメリット
まとめ:コンパクトな本体に最新機能を詰めこんだ、スマートAI Wi-Fi カメラの決定版!
以上、TP-Linkの見守りカメラ「Tapo C225」のレビューでした。
Tapo C225は、据え置きタイプにも関わらず、パン・チルト機能による広い視野角を実現。
環境ロバスト性も高く、見たいところを幅広くカバーできるのがポイントです。
プライバシー面にも配慮し、物理的なカメラレンズを隠すモードやゾーン設定などの機能も充実しています。
また、この価格帯でスマートAIによる検知機能など、ハイスペックな機能も兼ね備えた見守りカメラとして、トータルで安心しておすすめできるモデルといえるでしょう。