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【大人の社会見学】 千葉大学の植物工場で最新のインテリジェントLED水耕栽培環境を体感できる!

千葉大学植物工場

本日は大人の社会見学の話です。

サンサンと太陽が照りつける絶好の行楽日和。
行楽ではないのですが、以前より興味のあった日本最大級の植物工場の見学に参加する機会がありました。

場所は千葉県柏市柏の葉にある、千葉大学の環境健康フィールド科学センター。
ここは平成21年度農林水産省のモデルハウス型植物工場実証実験・展示・研修事業で設置された、総額13億円・60社の民間企業等が参画する国内有数の植物工場です。

施設内(13,350㎡)には、太陽光型が5棟、人工光型が3棟の他、育苗・選果・出荷場、研修棟などが設置されています。

千葉大学植物工場

事前予約で植物工場を見学できるツアー

実はこの千葉大学にある施設は一般公開しています。
WEBから事前予約することで誰でも(中学生以上)は参加することができます。

尚、9月からは中学・高校・大学生・専門学校生は無料になるのだそうで、関東近郊にお住まいであれば少し遠方になりますが、一度見学することをおすすめします。

植物工場見学(千葉大学拠点)

見学コースは2コースあります。

①見学コース:

・料金:500円(税込)

・所要時間:45分~60分程度(各回20名まで)

・ガイド:千葉大学生、NPO職員など

・植物工場のみのコース。太陽光型、人工光型、選果・出荷施設等を一巡します。

②講義付き見学コース:

・料金:2,200円(税込)※PPTベースの講義資料+見学案内パンフ込み

・所要時間:1時間30分~2時間程度(各回40名まで)

・講師・ガイド:千葉大学名誉教授、千葉大学教授(ガイドは多人数の場合は講師とガイド担当者に分かれる)

・資料に基づく講義に上記見学が付随するものです。

サイト 植物工場見学受付ページ

↓こちら敷地内になる事務所。こちらの向かい側に研修棟があり、教授の講義付きの場合はそちら座学後、施設内を見学します。

千葉大学植物工場

講義付き見学コース体験記

今回私が申し込んだコースは②の講義付き見学コースです。

当日は30度をこえる猛暑日でしたのでしっかりと熱中症対策をしてのぞみました。
自販機は事務所そばにありますがペットボトルまたは水筒は持参しましょう。
タオル、帽子、日傘推奨です。

講義には植物工場に関心のある企業からきたサラリーマンのおじさんたちと、夏休みということもあって学生が数名まじっていました。

まず講義を1時間ほど、ハンドアウトの資料をベースに受講します。
あまり詳しい話はなく、一般的な植物工場の概要とどちらかというとこれから見学する各施設の説明をきく形式になります。

↓こちらの施設マップの建物のうち、見学する施設は10段栽培向上、高気密・省エネドーム、トマト選果施設、Dトレイシステム、長段密l植栽培あたり。

残念ながら、8月は長段密植栽培のトマトの苗の植替え時期となるため、5施設あるトマトの植物工場のうち、2施設は栽培中のトマトを見学することができませんでした。

千葉大学植物工場

この中でも私がやはり一番関心があるのが、自宅でもやっている低コスト未来型人工光利用植物工場、つまり「LED水耕栽培」です。
これが実際に事業規模レベルでやっているところをみることができるのですから、ワクワク感はとまりません。

ドーム型植物工場モデル

中でもジャパンドームハウス(株)が手掛けているドーム型は厚さ20㎝の特殊発泡ポリスチレンの建屋で、その中ではアマゾンなどの物流現場でも使われている自動搬送ロボットを活用して、効率的なLED水耕栽培を実現しています。

ドーム型のメリットは、密閉された野菜に最適な環境(害虫、伝染病、害獣、天災、PM2.5、悪天候、人災などから守る)を提供するだけではありません。
高さが3.5mの空間でも多段式で栽培できるので収穫量がアップする点、液肥だけでの栽培で土壌で育てる場合の問題(雑菌など)の心配がない点、同品質の野菜を大量に生産できるので品質保持ができる点などです。

↓ドームは床面積が180㎡で、播種から収穫・梱包まで一連の作業を行っています。

千葉大学植物工場

↓施設内では手前はサラダ菜、奥ではバジルが大量に育成されています。これに比べると家庭でやっているLED水耕なんて^-^;

千葉大学植物工場

↓自動搬送ロボットで栽培棚を一気にスライドして交換する仕組み。
長さ10mの栽培棚が8段、2列あり、年間約25万株が生産可能とのこと。

千葉大学植物工場

1日3000株の生産を誇る、インテリジェント植物工場

次に注目したのが、(株)レイズとMIRAI(株)による人工光利用植物工場です。
こちらは100坪の敷地に10段のフリルレタスを中心に栽培棚がたくさん設置されており、1日あたりの収量が3,000株とのことでした。

↓10段ある棚には国内・海外メーカーのLEDが設置されており、各メーカー毎に各種データをビックデータとして活用すべく、記録集計しているそうです。話によると一般的に高いLEDで9万円/本程度から、安いLEDで8,000円/本(主に韓国産)とのことで、性能は価格に比例するようで、高いLEDほど成長を加速する波長がでています。
オフレコ?ですが、フィリップスのLEDが現時点で最も性能が良いということでした(韓国産は論外・・・)。

千葉大学植物工場

↓24時間コンピューター管理(温度、光、栄養水、CO2)されており、生育効率と栄養バランスの良い野菜を効率よく生産しています。
各種データはPCでもモニタリングしており、見学時にもみることができます。
また工場内で作業する方がPCの出す指示通りに動いて、栽培された作物の状態をチェックして記録しています。

またここで生産される野菜は大学内の直売所で販売されていたり、サンドイッチや春巻き工場、レストランに提供されています。

水耕栽培

最後のもう1つ、三菱樹脂のアグリドーム。
こちらはUVカットのフィルムをはることで光合成促進と害虫防除効果を高めています。

千葉大学植物工場

お土産に自家製トマト

見学が終わり、最後にお土産として配られたのは植物工場(水耕栽培)で生産された、採れたて新鮮・完熟トマトです。

千葉大学植物工場

早速、サルサソースの具として活用して、美味しいタコライスをつくってみました。
瑞々しくておいしいトマト。
わが家で昨夏、ベランダにて栽培に挑戦したミニトマトは苦戦したのですが、植物工場では環境コントロールがきっちりされており、どれも実がプリプリとした立派なトマトがたくさんなっていました。

タコス

お食事スポットには困りません 「ららぽーと柏の葉」

午前、午後に見学が設定されているので、せっかくなので美味しいランチでも食べたいものです。

柏の葉キャンパスには駅前に「ららぽーと柏の葉」があるので、食事処には困りません。
逆に広大すぎて、フードコードに加えて数多くのテナントがあるので、悩みます。

サイト ららぽーと柏の葉

今回、わたくしがチョイスしたのは、千葉だけど仙台牛たんのお店、「牛たん伊之助」!
選んだのは「厚切り牛たん定食(8切れ)」+麦とろご飯付きです。

炭火焼の牛たんはボリュームたっぷり。テールスープもついてきます。
麦とろ飯はお代わり自由ですが、1杯でおなかも満足。

味噌南蛮をつけて、いただく牛たんはうまいです。
でも、やっぱり仙台の本場の牛たんの味は忘れられませんね・・・

牛たん伊之助

植物工場見学のまとめ

今回の見学ツアーでの講義によると、国内には約200か所の植物工場がありますが、その中でも黒字化している工場は全体の20%程度。収支とんとんなのが20%で、残りの実に60%が赤字という現実です。

1日に3,000株生産しても、1株100円で販売できたとして、30万円/1日。年間でも約1億円程度の売上があってもペイしないそうです。
売上に匹敵するほどのコストが発生していて、1/3が施設費、1/3が光熱費、1/3が人件費です。

昨今LEDコストが下がっているものの、まだまだ設備コストが膨大にかかるとのことで、現実的には単独で事業化するには無理があるというのが今の日本の植物工場の状況でした。

私もいま自宅で水耕栽培器を複数稼働させていますが、実際にはランニングコストを考えると、野菜を買ったほうがコスパはよいことは始める前から認識していました。

それでも尚、自宅でLED水耕栽培をやり続けているのは、野菜を育てることそのものが魅力的な体験であり、食育の一環と考えれば十分に値すると考えているからです。

そして、何よりも自分で育てた野菜やハーブで彩る料理はなんともいえない充実感に満たされるのです。

今回、改めて国内有数の最先端の植物工場を見学して、日本の未来の農業のあり方のいったんを垣間見ることができました。
まだまだ世界レベル(オランダが最も進んでいるらしい)では後れを取っている日本ですが、今後、この植物工場で蓄積されたビックデータをベースに革新的でありながら、低コストで高性能な統合環境制御技術の構築を期待したいと思います。

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この記事を書いたのは

dalahast_shikaku2

dalahast(ダーラヘスト; @dalahast_jp)です。ほぼ週末限定の趣味のお料理以外に日々の暮らしのなかで興味をもったこと等を 気の向くままに徒然に綴っています。
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