最近になって、自宅のWi-Fiの電波が弱かったり、接続しづらいと感じている方はいませんか?
それはスマートフォンをはじめ、家族を含めて所有するインターネットに接続する機器が増えてきて、無線ルーター側の処理が追いつかなくなっているからかもしれません。
- 家の中でつながりづらいところがある
- 電波が安定せず、通信スピードにムラがある
- サイト閲覧中に読み込みスピードが遅くなった
- ネットに接続する機器が増えた
- 自宅の無線ルーターを買って数年経っている
このような不満や心当たりがある方は、新しい無線LANルーターに買い替えるタイミングかもしれません。
今回レビューするTP-Linkの「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」は、低価格ながら高機能で高いパフォーマンスを発揮する11ac規格対応の無線LANルーター。
3本の外部アンテナと1本の内部アンテナで部屋のすみずみまで電波が届く、パワフルなモデルです。
最速のWi-Fi6対応製品が登場しましたが、性能と価格のバランスが最もとれているのがWi-Fi5対応製品。
その中でもオススメなのが、「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」です。
「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」の概要
人気モデルの「Archer A10」と「Archer A2600」にUSB3.0ポートを追加。
さらに高度なセキュリティシステムである“TP-Link HomeCare”が無料で使え、最新セキュリティ規格WPA3に対応することで、非常に高い安全性を備えた新モデルとなりました。
もちろん、Wi-Fi5無線ルーターとして最上位の機能を備えています。
縦置き用スタンド付きモデルが「Archer A2600」。
「Archer A10」と「Archer A2600」の両モデルとも無線ルーター本体の機能・性能は同じです。
主な仕様について
製品名 | TP-Link Archer A10 Pro(スタンドなしモデル) Archer A2600 Pro(縦置き用スタンド同梱モデル) |
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ac/n/a 5 GHz IEEE 802.11b/g/n 2.4 GHz |
信号レート | 1733 Mbps ( 5 GHz)+800 Mbps (2.4 GHz) |
ワイヤレスセキュリティ | 64/128-bit WEP, WPA/WPA2, WPA-PSK/WPA-PSK2暗号化, WPA3 |
セキュリティ | HomeCare搭載 |
プロトコル | IPv4及びIPv6対応 |
高度な機能 | スマートコネクト、エアタイムフェアネス、リンクアグリゲーション |
USB共有 | Apple Time Machine FTPサーバー メディアサーバー(Mini DLNA) Samba(ストレージ) |
VPNサーバー | OpenVPN, PPTP |
インタフェース | 1× 10/100/1000 Mbps WANポート 4× 10/100/1000 Mbps LANポート 1× USB 3.0ポート |
アンテナ | 3× 外部アンテナ + 1× 内蔵アンテナ |
外部電源 | 12 V / 2 A |
本体サイズ・重量 | 216 x 164 x 36.8 mm、555g(ルーター本体のみ) |
推奨利用環境 | 戸建て3階建、マンション4LDK、最大接続台数48台 |
※Archer A2600 Pro(縦置き用スタンド同梱モデル)は家電量販店・ECサイトでの取り扱いとなります。
公式サイト(仕様) Acher A10 Pro/Archer A2600 Pro
外部インタフェース
無線LANルーターの背面には、WANポート×1にLANポート×4があるので、映像配信などより安定した通信を優先する場合、こちらのLANポート経由で有線ケーブルにて接続することができます。
側面にはUSB3.0ポート×1あり、ここにUSBメモリーや外付けハードディスクなどを接続することで簡易的なNASとしても使うことができます。
USBハブを接続することも可能。
レイアウト自由自在
「Archer A10 Pro」は横置きまたは壁掛けの2通り、「Archer A2600 Pro」には縦置き用のスタンドが同梱されているので縦置きが可能です。
※Archer A10 Proユーザーの方でも別売のスタンドを購入すれば縦置きが可能。
設置場所にスペースがない場合は、このスタンドを使えば縦置きできるのでスッキリします。
「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」のレビュー
注目の5つのポイント
Wi-Fi5対応無線ルーターとして完成度が高く、機能もりだくさんの無線ルーターですが、中でも個人的に注目したポイントはこちらの5つ。
- 11ac対応デュアルバンドで最大2533Mpsの高速通信
- TP-Link HomeCare (無料)でセキュリティも安心
- USB3.0×1ポートを搭載で簡易NASも使える
- スマートコネクト対応でSSID切替不要
- スマホのアプリやPCのブラウザーで簡単設定
以下、順番にレビューしていきたいと思います。
11ac対応デュアルバンドで最大2533Mpsの高速通信
「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」は、5GHzで最大1733Mbps+2.4GHzで最大800Mbps、合計で最大2533Mbpsの高速デュアルバンドWi-Fiルーター。
3本の外部アンテナと1本の内部アンテナが搭載されているので、電波がより強力になり、ビームフォーミング機能によって電波を効率よく安定して届ける仕組みになっています。
それでは、実際にどれだけのパワーとスピードがでるのか?
数年前から使っていたWi-Fi5/11ac対応のモデルと比較をしてみました。
まずは従来のWi-Fiルーターで電波の強弱とスピードを計測。
※上位インターネット回線の上限が100Mbpsの環境下で計測しています。
親機は右上に設置しているので、遠ざかるにつれて電波状態も弱くなり、スピードも大幅に遅くなっていることがわかります。
次に、Archer A10 Pro/Archer A2600 Proでの計測結果です。
ご覧のとおり、古い無線ルーターと比べて、かなり広範囲に電波が届いており、通信スピードもルーターを設置している部屋から遠いところでは古いルーターよりも約3倍近いスピードがでています。
同じ11ac対応・デュアルバンドの無線ルーターでも、数年経てば機器そのものの性能があがるので、通信スピードの改善だけではなく、同時接続する機器の数が多くなっても処理が高速になります。
つまり、同じWi-Fi5規格に対応した無線ルーターでも、数年毎に買い替えることで大幅に通信環境が変わることがわかります。
ちなみに、わが家では各部屋で常時接続するデバイスが多いため、Wi-Fi6/メッシュWi-Fi対応のルーター(Deco X20)を導入しています。
電波の強さを比較してみた結果がこちら。
2台設置で部屋のすみずみまでカバーするメッシュWi-Fiと比べても、1台だけでこのカバー率はすごい!
通信スピードも十分満足できるレベルで計測できています。
「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」は最大接続台数が48台もあり、通信速度も安定しています。
一般的なご家庭であれば必要十分なスペックですね。
TP-Link HomeCare (無料)でセキュリティも安心
「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」は、より強固になったワイヤレスセキュリティ「WPA3」に対応するだけでなく、ソフト面でもトレンドマイクロの技術を使った「TP-Link HomeCare」に対応しています。
HomeCareを使うことで、ルーター本体側で保護者による制限・アンチウイルスに加えて、QoSの設定を細かく設定・制御できます。
スマホの場合、「Tether」アプリから「HomeCare」をタップ。
HomeCareの管理画面より、下記3つの項目で細かくセキュリティの制御ができます。
- 保護者による制限:
教育上好ましくないコンテンツのブロック・インターネット利用時間の制限をおこなう - QoS(Quality of Service):
通信速度を優先するデバイスの設定をおこなう
- アンチウィルス:
悪意あるサイトのブロック、侵入防止、感染デバイスの隔離をおこなう
公式サイト TP-Link HomeCareについて
これだけの機能が追加料金なしで、無料で使えるのはうれしいですね。
HomeCareの使い方はこちらの記事で詳しく解説しています。
USB3.0×1ポートを搭載で簡易NASも使える
本体左側にUSB3.0が1ポートあり、USBメモリーや外付けのハードディスクを接続することで、簡易的なNAS(ネットワーク対応のハードディスク)として使うことができます。
また、USBポートにUSBハブを接続することで複数の機器を接続することも可能です。
簡易NASを使えば、パソコンやスマホから共通のストレージとして使うことが可能となります。
音楽・写真・動画などのファイルをネットワーク内で共有したり、データの受け渡しなど便利に使えます。
簡易NASの設定方法
NASの設定は「Tether」アプリからはできず、パソコンやスマホのWEBブラウザーから管理画面にアクセスします。
アクセスURL tplinkwifi.net
外部からアクセスする場合は、NASへのアクセス認証をかけておくと安心です。
簡易NASの使い方
パソコンからNASへアクセスする場合は、エクスプローラーを開いて、アドレスバーに\\(ルーターのIPアドレス)か\\TP-Shareと入力します。
ネットワークドライブとして割り当てれば、いつでもパソコンからアクセスが可能です。
スマホの場合はFTPManagerやVLCなどのNASに接続できるアプリや、iOS純正の「ファイル」アプリで接続します。
私のおすすめは「FTPManager」です。
FTPManagerでNASへアクセスするためには、接続先(FTPアドレス)を登録します。
無線ルーターの管理画面のアクセスアドレスに記載されている、FTPサーバのアドレスを新しい接続先としてアプリの「ホスト名/IPアドレス」に入力します。
接続先として、先ほど登録した項目が追加されているので、こちらからファイルにアクセスすることが可能です。
参考 どのように簡易NAS機能を利用しますか?(公式サイト)
スマートコネクト対応でSSID切替不要
「スマートコネクト」とは、いわゆるバンドステアリングのこと。
周波数帯(2.4GHz/5GHz)の混雑具合やデバイスの利用状況に合わせて、接続されているデバイスを最適な周波数帯に自動で切り替える機能です。
スマートコネクトは「有効」にするには、スマホのアプリかパソコンから管理画面にアクセスして切り替えるだけ。
一般的にデュアルバンドの場合、2.4GHzと5GHzの2つのアクセスポイント(SSID)を切替えて使いますが、「スマートコネクト」を使えば1つのSSIDにまとめることができます。
数年前に購入した無線LANルーターには「スマートコネクト」のような機能がありませんでした。
最適なアクセスポイントに自動で切り替えてくれるのは本当に便利!
さらにスマートコネクト機能とあわせて、「MU-MIMO」と「エアタイムフェアネス」機能によって、複数台のデバイスが同時接続しても通信が安定、どちらかの周波数帯域に偏らないように自動で調整されるので、ネットワーク全体が最適化されてスムーズな通信をおこなうことができます。
スマホのアプリやPCのブラウザーで簡単設定
TP-Linkの無線ルーターと言えば、初心者でもスマホのアプリで簡単に初期設定ができることがウリです。
Archer A10 Pro/Archer A2600 Proは、Android/iOS向けの「Tether」アプリを使います。
スマートフォン用アプリはこちら。
また、パソコンからもWEBブラウザー経由でさらに細かく設定できるので、初心者以外にも十分応える機能が搭載されています。
アクセスURL tplinkwifi.net
※リンク先はTP-Linkの無線ルーターにアクセスしている状態で有効
アプリ同様にユーザーインタフェースもわかりやすく、直感的に使いやすいです。
まとめ:高機能ながらコスパ優れる無線LANルーター
「Archer A10 Pro/Archer A2600 Pro」は機能と価格のバランスがとれたWi-Fi5対応の無線ルーターの代表格です。
「TP-Link HomeCare」で悪意のあるアクセスをブロックしたり、インターネットに接続する機器をコントロールできるなど、従来の無線LANルーターでは利用できなかった最新のセキュリティサービスが無料で使えることも魅力的です。
スマートフォンのアプリやPCのブラウザーでルーターの設定ができるので、簡単に設定を済ませたい初心者から、こだわり派のユーザーまで幅広く使える無線ルーターだといえます。
あなたもこの機会に新しく無線LANルーターを新調してみてはいかがでしょうか?