今年になってから、「バッテリーの残量が非常に少なくなっています。今すぐコンピューターを電源につないでください。」とのメッセージが頻繁に出るようになりました。
ACアダプターは確かに装着されており、電源状態も電源モードになっています。
バッテリーもフル充電完了の100%の状態です。
長年愛用しているDELLの「INSPIRON-13-2-1」も購入してから5年も経過、毎日酷使しているのでそろそろバッテリーの劣化に原因があるのでは?
ということで、まずはWindowsでバッテリー状態のチェックをしてみることにしました。
PCバッテリーの状態をチェックする
Windowsではコマンドプロンプトで次のコマンドを打つことで、現在お使いのノートパソコンのバッテリー状態を確認することができます。
そのコマンドとは「POWERCFG」。
「POWERCFG」を使うことで、Battery reportを出力し、バッテリーの現状をチェックすることが可能です。
手順を解説します。
「Battery report」の出力方法
- STEP1コマンドプロンプト起動する
スタートメニューより「cmd」を打ち込み、コマンドプロンプトを起動する。
- STEP2コマンド「powercfg」をタイプする
起動したら、powercfg /BATTERYREPORT と入力してEnterを押す。
- STEP3「Battery report」が作成される
Battery reportが作成される。
※出力先のパスは画面に記載されている。 - STEP4バッテリー状態を確認する
記載場所を開き、レポートをブラウザーでチェックする。
「Battery report」の見方
Battery reportでは内蔵バッテリーの詳細な状態を確認することが可能です。
「Installed batteries」をみることで、現在の状態を一目把握することができます。
DESIGN CAPACITYは規格上のバッテリー容量で、購入時は「37.996mWh」あったことがわかります。
現在のバッテリー状態は「FULL CHARGE CAPACITY」で、「1,140hWh」と実に新品だった場合の容量の3%程度までしか充電できなくなっていることがわかりました。
直近のバッテリーの状態をみると、いち早く新品のバッテリーに交換する必要があることがうかがえます(苦笑)。
ということで、ノートPC用の内蔵バッテリーを購入して、自分で交換することにしました。
警告メッセージを非表示に設定する(暫定処置)
一方で、頻繁に出る「バッテリーの残量が少なくなっています」のメッセージそのものを消す方法もあります。
あくまでも作業中断を防ぐための手段で、バッテリーを交換するまでの暫定処置です。
- STEP1「電源オプション」を開く
タスクバーのバッテリーアイコンを右クリックして、「電源オプション」を選択。
- STEP2電源設定を変更する
「プラン設定の変更」を選択。
次に「詳細な電源設定の変更」を選択。
- STEP3バッテリ通知をオフにする
電源オプションの「詳細設定」がひらくので、「バッテリー」にある「電池切れの通知」で、「バッテリ駆動」と「電源に接続」を「オフ」にして適用をクリック。
新しいバッテリーに交換したら、設定を元に戻しておきましょう。
バッテリー交換(Dell INSPIRON-13-2-1)
見積書の取得・注文
純正バッテリーの購入(DELL公式サイト)
私の使っているDELLのノートPC「INSPIRON-13-2-1」は2017年12月に購入した、Inspiron 7373というモデルで、DELLのオンラインサイトで購入したものです。
Amazonや楽天で販売されている、中華製の安価な互換バッテリーもありますが、安全をとってDELL純正のバッテリーを公式サイトで注文することにしました。
公式 DELL問い合わせ
上記問い合わせ先にアクセスすることで、対応バッテリーの見積を取得することが可能です。
最初にノートPCの底面に記載されている「サービスタグ(7桁の数字・アルファベット)」をチャットで伝えると、過去のオンライン購入履歴から情報を取得して、正しい純正バッテリーの価格・在庫状況を調べてもらうことができます。
今回は古いモデルだったこともあり、その場では在庫有無が確認できなかったため、折り返し確認の上、見積書を発行となりました(当日中に回答あり)。
見積価格は、「品名:BTRY,PRI,38WHR,3C,LITH,SMP」が標準価格6,979円のところ、なぜか5.400円(税込5,940円、送料込み)と割引価格になっており、いわゆる互換バッテリーよりも安く調達できました。
尚、決済はオンラインでのクレジットカード決済か、銀行振り込みが可能です。
今回のケースでは、注文から納品まで約1か月かかるとのこと。
純正バッテリー到着(24日後)
DELLに純正バッテリーを注文してから、3週間少しで到着しました。
※発注(23/1/19)→製造完了→中国から出荷(1/28)→日本着(2/9)→配達完了(2/11着 by 佐川急便)
互換バッテリー・純正バッテリー(公式サイト以外)での購入
もしお急ぎの場合は、楽天などで販売されている純正バッテリー(やや高めの価格)か互換バッテリー(公式の純正と同等の価格)をご自身の判断で購入するとよいでしょう。
内蔵バッテリー交換手順
DellノートPC「INSPIRON-13-2-1」の内蔵バッテリーを新しいバッテリーと交換する手順を解説します。
パソコンの中をあけてパーツ交換する際は、ドライバーセットがあるとなにかと便利です。
- STEP1裏蓋をはずす
まず最初に、ノートPCの裏面にあるネジ(合計10箇所)をドライバーで取り外し、ヒンジ側(写真では上方)からカバーをとりはずします。
私は内蔵のSSDを換装したこともあるので2回目でカバーがはずしやすくなっていますが、初めて分解する方はマイナスドライバーなど平たいものを使ってテコの原理で、ヒンジのつけね側のある端のほうから慎重にとりはずしていきます。
- STEP2古いバッテリーのネジをとりはずす
とりはずすと、バッテリーがちょうどタッチパッドの上に取りつけられているので、まずネジ(合計4箇所)をドライバーでとりはずします。
- STEP3古いバッテリーのケーブルを抜く
次に古いバッテリーに接続されているケーブルを抜きます。
ケーブルはシールでとめられているので慎重にはがします。ケーブルを抜いたら、手前にある赤・黒の配線コードが断線しないように注意しながら、バッテリーを取り外します。
バッテリーを取り外した状態がこちら。
- STEP4新しいバッテリーを取付ける
後は新しいバッテリーを逆の手順で取り付けるだけです。
新旧バッテリーの比較です。
取り外した古いバッテリー(画像上)は中央部が膨張しているのがわかります。 - STEP5カバーを戻して、起動確認する
最後に新しいバッテリーを取付けたら、カバーを元に戻してネジどめして終了です。
電源ボタンを押して起動するか確認します。
尚、新しくバッテリーに交換した場合は、放電して3%まで減らしてから、ACアダプターに接続してフル充電したほうが良いようです。
※今回バッテリー交換時の挙動として、私だけの現象かもしれませんが、参考までに備忘録として残しておきます。
最初に電源ボタンだけで起動しようとすると起動せず、ACアダプターをさした状態で電源ボタンを押すと起動しました。
また起動直後はバッテリーの状態も「22%」となっていました。
その後、時間をおかずに再起動すると、「Battery Low」のアラートが表示。
そのままPCを起動して確認すると、バッテリーは「3%」となっていました。
最初にバッテリーを認識したときは22%で、再起動後に3%になっていたのは謎ですが、ACアダプターを接続してフル充電して使えており、今のところ問題ありません。
新しくなったバッテリー状態をチェックする
新しく交換したバッテリーの状態をチェックしましょう。
Battery Repotを「powercfg /BATTERYREPORT」コマンドで出力します。
・DESIGN CAPACITY:37,996 mWh
・FULL CHARGE CAPACITY:36,092 mWh
となっていることがわかります。
また、バッテリー交換のログも記録されています(Battery Changed)。
取り外した内蔵バッテリーの処分
DELLのパソコンの場合、無料(回収・リサイクル費用とも)で取り外した古いバッテリーを回収依頼することができます。
ノートパソコンのリチウムイオン電池の場合、FAXで佐川急便のDELL事務局へ申し込みます(今の時代にFAXとは・・・驚きですが)。
古いバッテリーは輸送中の安全確保のため、エアークッション材などでしっかりくるんでから段ボールに梱包します。
新しいバッテリーが届いたときの箱を残しておくと、そのまま梱包できるので便利です。
あとは伝票を佐川急便の回収担当さんが持参してくれるので、梱包した箱をお渡しするだけです。
まとめ:内蔵バッテリーの状態を定期的にチェックしよう
以上、ACアダプターでつないでるのに、「バッテリーの残量が非常に少なくなっています」とメッセージが出るのを回避する方法の紹介でした。
ノートPCのバッテリーも使用状況にもよりますが、3年~5年経過するとバッテリーの劣化でフル充電できる容量も少なくなってきます。
いざという時に慌てないためにも、日頃から今回ご紹介したPOWERCFGのコマンドで「Battery report」を出力し、あなたの大切なPCのバッテリー状態を定期的にチェックしてみてはいかがでしょうか?
また劣化したバッテリーは内蔵HDD同様に自分で換装することは可能です。
それほど手間をかけることもなく、ノートPCを延命、永く使えるようになるのでおすすめです。
この記事がお役にたてれば幸いです。